254語を収録
屋外広告士 用語集
試験に出る言葉を、ひとつずつ。
意味を調べて、関連する用語や過去問へ。
関係法規(76語)
- はり紙
- はり紙は、紙などを電柱・塀・建物などに貼り付けて表示する広告物で、都道府県の屋外広告物条例による規制の対象になる。 条例に違反したはり紙は、はり札等・広告旗・立看板等と並んで、命令や代執行の手続を経ずに都道府県知事が取り除ける簡易除却の対象になる(屋外広告物法第7条第4項)。はり紙は条例に明らかに違反していれば除却でき、はり札等・広告旗・立看板等と違って「管理されずに放置されていることが明らか」という要件はない。 除却したはり紙は、ほかの広告物と違って保管しなくてよい(同法第8条第1項ただし書)。
- 主任技術者
- 主任技術者は、建設業法に基づき、建設業者が請け負った工事の現場に置く、施工の技術上の管理を行う技術者。 請負金額にかかわらず置く必要があり、公共性のある施設などの一定額以上の工事では現場ごとに専任とする。元請として一定額以上を下請に出す場合は、主任技術者に代えて監理技術者を置く。
- 代執行
- 代執行は、行政上の義務(他人が代わって行える行為)を義務者が履行しないとき、行政庁が自ら行うか第三者に行わせ、その費用を義務者から徴収する手続き(行政代執行法)。 他の手段で履行を確保することが難しく、放置することが著しく公益に反することが要件。違反広告物の除却命令に従わない場合などに使われ、戒告、代執行令書による通知、執行、費用の徴収の順で進む。
- 作業主任者
- 作業主任者は、労働安全衛生法に基づき、危険や有害な作業ごとに事業者が選任し、作業の方法の決定や労働者の指揮を行わせる者。 高さ5m以上の足場の組立て・解体や、高さ5m以上の金属製の骨組みの組立てなどが選任の対象になる。対象かどうかは作業の種類と高さなどの要件で決まる。
- 保管
- 保管は、屋外広告物法に基づき、都道府県知事が除却した違反広告物や掲出物件を一定期間保管すること。 保管したときは所有者等に返還するため公示し、一定の期間を過ぎても返還できず保管に不相当な費用がかかる場合は売却や廃棄ができる。公示から6か月を経過しても返還できないときは、所有権は都道府県に帰属する。
- 保管義務
- 保管義務は、都道府県知事が除却した広告物や掲出物件を保管しなければならない義務(屋外広告物法第8条)。 ただし、除却したものがはり紙の場合は保管しなくてよい。はり札や立看板、広告旗などは簡易除却したものでも保管の対象になる。 保管したものは公示し、所有者等に返還する手続きをとる。
- 健康診断
- 健康診断は、労働安全衛生法に基づき、事業者が労働者に対して行う健康の診断。 雇入れ時と、常時使用する労働者に1年以内ごとに1回行う一般健康診断が基本で、有害な業務に従事する労働者には特殊健康診断も行う。 健康診断の結果は記録して保存し、必要に応じて就業上の措置をとる。
- 元方事業者
- 元方事業者は、労働安全衛生法で、1つの場所で行う事業の仕事の一部を請負人に請け負わせている事業者(最も先の注文者)。 関係請負人やその労働者が法令に違反しないよう指導し、違反を認めたときは是正のため必要な指示をしなければならない。建設業では、作業場所の巡視や作業間の連絡調整なども行う。
- 公益
- 公益は、社会全体の利益。行政代執行法では、義務の不履行を放置することが著しく公益に反することが、代執行の要件のひとつとされている。 屋外広告物の条例でも、公益上必要な施設などに表示する広告物について、禁止の適用除外などの扱いが定められることがある。
- 安全衛生教育
- 安全衛生教育は、労働安全衛生法に基づき、事業者が労働者に対して行う教育。労働者を雇い入れたときや作業内容を変更したときの教育(第59条第1項・第2項)、危険または有害な業務につかせるときの特別教育(同条第3項)のほか、建設業など政令で定める業種で新たに職長になる者への職長教育(第60条)がある。 教育を行う義務は事業者にある。
- 専任技術者
- 専任技術者は、建設業の許可を受けるための要件として、許可を受ける営業所ごとに常勤で置く、一定の資格や実務経験をもつ技術者(建設業法)。 営業所の人数の大小ではなく、営業所ごとに配置が必要。2024年施行の法改正で「営業所技術者」などの呼び方に改められている。
- 届出
- 届出は、行政に一定の事項を知らせる手続き。許可と違い、行政の承認を必要としない。 屋外広告物では、管理者の変更や表示の終了(除却)を届け出るなどの手続きが条例で定められる。景観法では、景観計画区域内の一定の行為を景観行政団体の長に事前に届け出る。
- 屋外広告業
- 屋外広告業は、屋外広告物の表示や、広告物を掲出する物件の設置を行う営業(屋外広告物法第2条)。 都道府県などは条例で登録制を定め、営業しようとする者は区域ごとに知事などの登録を受ける。登録の有効期間は5年で、営業所ごとに業務主任者を選任する。
- 屋外広告物条例
- 屋外広告物条例は、屋外広告物法に基づき、都道府県・指定都市・中核市などが定める、屋外広告物の具体的な規制の条例。 禁止地域・禁止物件、許可地域、表示の基準、屋外広告業の登録などを定める。景観計画に広告物の制限が定められた場合、条例は景観計画に即して定める。
- 屋外広告物法
- 屋外広告物法は、良好な景観の形成、風致の維持、公衆に対する危害の防止のため、屋外広告物の表示や掲出物件の設置・維持、屋外広告業について、必要な規制の基準を定める法律(1949年制定)。 具体的な規制は都道府県などの条例に委ね、条例の罰則は罰金または過料に限られる。適用にあたっては政治活動の自由などの基本的人権を不当に侵害しないよう留意する。
- 工作物
- 工作物は、人が地上や地中に設けた人工物のうち、建築物以外のもの。 建築基準法では、高さ4mを超える広告塔・広告板などを工作物として指定し、確認申請や構造の規定を準用する。違反した工作物に対しては、建築主だけでなく工事の請負人なども是正命令の対象になる。
- 広告塔
- 広告塔は、広告を表示するために地上や建物の屋上に設ける塔状の工作物。屋外広告物法では、屋外広告物の例として広告板などとともに挙げられている。 建築基準法では、高さ4mを超える広告塔は工作物として確認申請や構造の規定が準用される。防火地域内では、建物の屋上に設けるものや高さ3mを超えるものは主要な部分を不燃材料で造るか覆わなければならない。
- 広告物協定
- 広告物協定は、一定の区域の土地所有者などが、区域内の広告物の位置・形状・色彩などについて自ら基準を定めて結ぶ協定。国の屋外広告物条例ガイドラインに示され、条例で定められる。 締結や変更には土地所有者などの全員の合意が必要で、知事の認定を受ける。地域の住民が主体となって広告景観を整える仕組み。
- 広告物活用地区
- 広告物活用地区は、地域の活性化やにぎわいの創出のために、広告物を積極的に活用する地区として、知事が指定する地区。国の屋外広告物条例ガイドラインに示され、条例で定められる。 地区内では、通常は制限される場所への表示なども、景観上・安全上支障がないものとして認められる場合がある。
- 建築基準法
- 建築基準法は、建築物の敷地・構造・設備・用途に関する最低の基準を定め、国民の生命・健康・財産を守るための法律。 高さ4mを超える広告塔・広告板などの工作物にも、確認申請や構造の規定が準用される。防火地域内の看板・広告塔の不燃化の規定もある。 建築確認や完了検査の手続きも定めている。
- 建築確認
- 建築確認は、建築物や一定の工作物の計画が建築基準法などに適合しているかを、工事の着手前に建築主事や指定確認検査機関が確かめる手続き。 高さ4mを超える広告塔・広告板も対象になる。国や都道府県などが建築主の場合は、確認に代えて計画通知を行う。 工事が完了したら完了検査を受ける。
- 建設業法
- 建設業法は、建設業を営む者の資質の向上、請負契約の適正化などを図り、工事の適正な施工と発注者の保護を目的とする法律。 建設業を営むには国土交通大臣または都道府県知事の許可が必要(軽微な工事のみの場合を除く)で、許可の有効期間は5年。工事現場には主任技術者を置く。
- 戒告
- 戒告は、行政代執行を行う前に、相当の履行期限を定め、期限までに義務を履行しなければ代執行をする旨をあらかじめ文書で知らせる手続き(行政代執行法第3条第1項)。 義務者が戒告の期限までに履行しないと、代執行令書で代執行の時期などを通知する。非常の場合や危険が切迫している場合は省略できる。
- 是正命令
- 是正命令は、法令や条例に違反した状態を改めるよう、行政庁が関係者に命じること。 屋外広告物条例では、違反広告物の表示者・設置者・管理者などに対して、表示の停止や除却などの必要な措置を命じることができる。 是正命令に従わない場合は、行政代執行などで違反状態を是正することがある。
- 景観協定
- 景観協定は、景観法に基づき、景観計画区域内の一団の土地の所有者と借地権者の全員の合意で、建築物の形態意匠や屋外広告物などの基準を定めて結ぶ協定。 景観行政団体の長の認可を受けて効力を持ち、協定区域の住民などが主体となって良好な景観を守る。 協定の内容は、協定区域の住民などが自主的に決める。
- 景観整備機構
- 景観整備機構は、景観法に基づき、良好な景観の形成のための活動を行う一般社団法人・一般財団法人やNPO法人を、景観行政団体の長が指定するもの。 景観重要建造物の管理などを行う。景観重要樹木の所有者と管理協定を結ぶ場合は、景観行政団体の長の認可が必要。
- 景観法
- 景観法は、良好な景観の形成を促進するため、景観計画の策定などの施策を定めた法律(2004年制定)。 景観行政団体が景観計画を定め、景観計画区域内の建築物・工作物の建設などの届出、景観重要建造物の指定、景観協定などの仕組みを設けている。景観計画には屋外広告物の表示などの制限に関する事項を定めることができる。
- 景観行政団体
- 景観行政団体は、景観法に基づき景観計画の策定などの景観行政を担う団体。指定都市・中核市の区域ではその市、その他の区域では都道府県で、都道府県と協議した市町村も景観行政団体になれる。 景観計画に広告物の制限を定めた景観行政団体の屋外広告物条例は、景観計画に即して定める。
- 景観計画
- 景観計画は、景観行政団体が良好な景観の形成のために定める計画(景観法第8条)。区域、景観形成の方針、行為の制限に関する事項などを定める。 屋外広告物の表示や掲出物件の設置の制限に関する事項も定めることができ、その場合の屋外広告物条例は景観計画に即して定める。
- 景観重要建造物
- 景観重要建造物は、景観計画区域内で良好な景観の形成に重要な建造物として、景観行政団体の長が指定したもの(景観法第19条)。 増築や外観の変更などの現状変更には景観行政団体の長の許可が必要。屋外広告物法では、条例で景観重要建造物への広告物の表示を禁止できる。
- 条例
- 条例は、地方公共団体が議会の議決を経て定める法規。 屋外広告物法は具体的な規制を都道府県などの条例に委ねており、広告物の制限に関する条例には罰金または過料のみを科する規定を設けることができる(懲役などの拘禁刑は設けられない)。 条例は、法律の範囲内で地域の実情に合わせて定められる。
- 業務主任者
- 業務主任者は、屋外広告業の登録制度で、営業所ごとに選任する者(屋外広告物法第10条)。広告物の表示などに関する法令の遵守や、営業所の業務の適正な実施を確保する。 国の登録を受けた試験機関の試験の合格者(屋外広告士)、都道府県の講習会の修了者、これらと同等以上として条例で定める者から選ぶ。
- 産業医
- 産業医は、労働安全衛生法に基づき、常時50人以上の労働者を使用する事業場で事業者が選任する医師。労働者の健康管理について指導・助言を行う。 選任の義務は事業場の規模などで決まり、すべての事業場に課されるものではない。 産業医は、作業場を定期的に巡視し、健康障害を防ぐための措置を事業者に勧告できる。
- 略式代執行
- 略式代執行は、条例に違反した広告物について、除却などの措置を命ずべき者を過失がなくて確知できないときに、都道府県知事が自ら(または命じた者・委任した者に行わせて)その措置を行う制度(屋外広告物法第7条第2項)。 命じる相手が分からないので、行政代執行法による戒告や代執行令書の通知は行わない。ただし、掲出物件を除却するときは、相当の期限を定めて、期限までに除却しなければ知事側で除却する旨を、条例で定めるところにより公告しなければならない。 除却・保管などに要した費用は、措置を命ずべき者を含む所有者等に負担させることができる(同法第8条第6項)。
- 登録
- 登録は、屋外広告業を営む者が、営業する区域の都道府県知事など(指定都市・中核市の区域ではその市長)の登録を受ける制度で、条例で定められる。 登録は都道府県ごとの制度で、ある都道府県の登録が他の都道府県に及ぶわけではない。有効期間は5年。 営業所ごとに業務主任者を選任することが登録の要件になる。
- 監理技術者
- 監理技術者は、建設業法に基づき、特定建設業者が発注者から直接請け負った工事で、下請代金の総額が政令で定める額以上になる場合に、主任技術者に代えて工事現場に置く技術者。 下請業者の指導監督を含め、施工の技術上の管理を行う。 監理技術者は、所定の資格と講習の修了が必要。
- 監督処分
- 監督処分は、許可や登録を受けた者が法令に違反したときに、行政庁が行う処分。 屋外広告業では、条例に違反した登録業者に対して、登録の取消しや6か月以内の営業の全部または一部の停止を命じることができる。 変更の届出を怠るなど、条例の違反も処分の対象になりうる。
- 禁止地域
- 禁止地域は、屋外広告物法第3条に基づき、条例で広告物の表示や掲出物件の設置を原則として禁止する地域。 第一種・第二種低層住居専用地域などの住居専用地域、景観地区、風致地区、文化財の周辺、保安林、道路や鉄道沿いの指定地域、公園・緑地・古墳・墓地などが該当しうる。公益上必要な施設に寄贈者名を表示する場合などの適用除外がある。
- 禁止広告物
- 禁止広告物は、場所に関係なく表示が禁止される広告物。国の屋外広告物条例ガイドラインでは、著しく汚れ・退色・塗料のはく離があるもの、倒壊や落下のおそれがあるもの、信号機や道路標識と紛らわしいもの、その見通しを妨げるものなどを挙げている。 管理を怠って危険な状態になった広告物は、禁止広告物にあたりうる。
- 禁止物件
- 禁止物件は、屋外広告物法第3条第2項に基づき、条例で広告物の表示などを禁止できる物件。 橋りょう、街路樹・路傍樹、銅像・記念碑、景観重要建造物・景観重要樹木などが該当する。公益上必要な施設に、基準に合う寄贈者名などを表示する場合は例外とされることがある。
- 管理義務
- 管理義務は、広告物の表示者や管理者が、広告物を補修するなどして良好な状態に保たなければならない義務。屋外広告物条例で定められる。 規則で定める一定の規模以上の広告物などは、専門的な知識を持つ管理者を置くことが求められる。 点検の結果を報告させる制度を設ける条例もある。
- 管理者
- 管理者は、屋外広告物を管理する者。条例では、表示者・設置者とともに違反の是正命令の相手方になる。 一定の広告物には、点検などを行う管理者を置き、許可申請で届け出る。管理者を変えたときは変更を届け出る。 管理者は、広告物の安全点検や補修の責任を持つ。
- 管理者変更
- 管理者変更は、許可を受けた広告物の管理者を変えること。 変更そのものの許可を受けるのではなく、条例で定められた変更の届出で手続きする。 届出をしないままにすると、条例違反として処分の対象になることがある。所有者や表示者の変更も、同様に届出が必要とされることが多い。
- 簡易除却
- 簡易除却は、条例に違反したはり紙、はり札等、広告旗、立看板等を、命令などの手続きを経ずに都道府県知事が自ら除却できる仕組み(屋外広告物法第7条第4項)。 はり紙は明らかに条例に違反していれば除却でき、はり札等・広告旗・立看板等は、明らかな違反に加えて管理されずに放置されていることが明らかな場合に限られる。
- 維持管理
- 維持管理は、広告物を設置した後、点検・清掃・補修などを行い、安全で良好な状態を保つこと。 塗膜の著しいはく離や部材の腐食、落下のおそれがあれば、補修や撤去が必要になる。許可を受けていることは、管理を怠ってよい理由にならない。 点検の記録を残し、次の点検や補修計画に生かす。
- 罰則
- 罰則は、法令違反に対する刑罰や過料の定め。屋外広告物法に基づく条例には、罰金または過料のみを科する規定を設けることができる。 条例で懲役などの拘禁刑を定めることはできない。 罰金は刑罰、過料は行政上の秩序罰で、性質が異なる。違反の内容に応じて条例で定められる。
- 美観風致
- 美観風致は、街並みや自然の美しいおもむき。屋外広告物の規制の目的のひとつ(法律の目的では、良好な景観の形成と風致の維持)。 条例では、美観風致の維持や公衆に対する危害の防止に必要な範囲で、許可に条件を付けることができる。 許可の条件には、色彩や照明の制限などがある。
- 自動車
- 自動車は、車体に広告を表示すると、屋外広告物条例の規制を受けることがある。 国の屋外広告物条例ガイドラインでは、電車や自動車に表示する広告物で基準に適合するものは、禁止地域の規定の適用除外とされている。 車体の広告は、走行する地域の条例が適用される。
- 自家用広告物
- 自家用広告物は、自己の氏名・名称・店名・商標や、事業・営業の内容を表示するために、自己の住所や事業所などに表示する広告物。 条例では、規則で定める面積などの基準に適合するものは許可が不要とされることが多い。許可不要は基準への適合が条件である。
- 行政代執行
- 行政代執行は、行政代執行法に基づき、義務者が履行しない義務(他人が代わって行える行為)を行政庁が代わって行い、費用を義務者から徴収すること。 屋外広告物法では、除却などの命令を受けた者が履行しない、履行が不十分、または期限までに完了する見込みがないときに、行政代執行法に従って行うことができる。
- 行政代執行法
- 行政代執行法は、行政上の義務の履行を確保するための代執行の要件と手続きを定めた法律。 代執行は、戒告(文書)、代執行令書による通知、執行、費用の徴収の順で行う。非常の場合や危険が切迫していて緊急の必要があるときは、戒告と代執行令書の手続きを省略できる。費用は国税滞納処分の例により徴収できる。
- 許可
- 許可は、法令で一般に禁止・制限されている行為を、申請に基づいて行政庁が個別に認めること。 屋外広告物条例では、許可地域で広告物を表示するときに知事などの許可が必要で、許可には期間があり、更新が必要になる。建設業法では建設業を営むために許可が必要で、下請代金が一定額以上の工事を元請として行うには特定建設業の許可が要る。
- 許可制度
- 許可制度は、ある行為を原則として禁止したうえで、行政庁が基準を満たすと認めたときにだけ許す仕組み。屋外広告物法第4条により、都道府県は条例で、広告物の表示や掲出物件の設置に都道府県知事の許可を受けなければならないとすることができ、条例で定める地域で表示・設置するときに許可を受けさせている。 許可の期間が終わったあとも続けるときの更新の許可、表示の内容や位置などを変えるときの変更の許可、広告物を除却したときの届出などは、条例で許可制度を運用するための手続として定められている。
- 道路占用
- 道路占用は、道路に工作物や物件を設けて、継続して道路を使用すること。看板や広告塔、突き出し広告などが該当しうる。 道路法に基づき道路管理者の許可を受け、占用料を納める。占用許可の申請書には、占用の目的・期間・場所、工事の実施方法、道路の復旧方法などを記載する。
- 道路占用許可
- 道路占用許可は、道路法第32条に基づき、道路に工作物などを設けて継続的に使用するときに受ける道路管理者の許可。 道路上空に突き出す看板、歩道上の広告塔などが対象になる。すでに占用している物件に、道路の構造に支障のない物件を添加する場合は、新たな占用とはみなされないことがある。
- 道路法
- 道路法は、道路網の整備と、道路の指定・管理・構造・保全などを定める法律。 道路に看板などの工作物を設けて継続して使うには、道路法第32条に基づく道路管理者の占用許可が必要になる。 道路管理者は、許可の条件に違反した占用者に対し、除却などの措置を命じることができる。
- 適用除外
- 適用除外は、屋外広告物条例で、一定の広告物を禁止や許可の規定の対象から外すこと。 法令の規定により表示するもの、国や地方公共団体が公共的な目的で表示するもの、基準に適合する自家用広告物、届出をした政治団体の政治活動用のはり紙・立看板等で基準に適合するもの、基準に適合する電車・自動車の広告などが挙げられる。
- 都市公園
- 都市公園は、都市公園法に基づき地方公共団体などが設置する公園。 公園の利用環境と景観を守るため、屋外広告物法では公園・緑地を、条例で広告物の表示を禁止できる地域として挙げている。公園内に物件を設けるには公園管理者の占用許可が必要。 公園の景観を保つため、看板の設置は必要最小限とされる。
- 防火地域
- 防火地域は、都市計画で定める、火災の危険を防ぐため建築物の構造などを厳しく制限する地域。 建築基準法第64条により、防火地域内の看板・広告塔・装飾塔などで、建物の屋上に設けるもの、または高さ3mを超えるものは、主要な部分を不燃材料で造るか覆わなければならない。
- 除却
- 除却は、広告物や掲出物件を取り除くこと。 表示の必要がなくなった広告物は、表示者などが速やかに除却し、条例で定める届出をする。違反広告物は、知事などの命令による除却や、簡易除却、代執行によって取り除かれる。 除却した広告物は、条例で定める手続きで保管・公示する。
- 除却命令
- 除却命令は、条例に違反した広告物や掲出物件について、都道府県知事などが表示者・設置者・管理者に対し、相当の期限を定めて除却を命じること(屋外広告物法第7条第1項)。 命令が履行されない場合などは、行政代執行法に従い自ら除却し、または第三者に委託して実施できる。
- 中核市
- 中核市は、地方自治法に基づき、人口20万人以上などの要件を満たして政令で指定された市。 屋外広告物法では、指定都市と中核市は都道府県に代わって屋外広告物に関する事務を行い、自ら屋外広告物条例を定める。そのほかの市町村にも、条例により事務が移されることがある。
- 代執行令書
- 代執行令書は、戒告を受けた義務者が期限までに義務を履行しないとき、行政庁が代執行の実施を知らせるために交付する文書(行政代執行法第3条第2項)。 代執行をする時期、派遣する執行責任者の氏名、代執行に要する費用の概算見積額を記載する。非常の場合や危険が切迫している場合は、戒告とともに省略できる。
- 占用許可
- 占用許可は、道路などの公共の空間に工作物や物件を設けて継続的に使うための、管理者による許可。 道路に突き出す看板や道路上の広告塔などは、道路法に基づく道路管理者の占用許可が必要になる。道路管理者が道路の構造を保全するため、占用に関する工事(道路の構造に関係するもの)を自ら行うときは、占用者にあらかじめ通知する(道路法第38条)。
- 取消訴訟
- 取消訴訟は、行政庁の処分の取消しを求めて裁判所に起こす訴訟(行政事件訴訟法)。 違反広告物に対する除却命令などの処分が対象になる。代執行の手続きの戒告や代執行令書による通知も、内容や法的な効果に照らして処分にあたるとして、取消訴訟の対象になりうると考えられている。
- 安全衛生推進者
- 安全衛生推進者は、労働安全衛生法に基づき、建設業などで常時10人以上50人未満の労働者を使用する事業場で選任し、安全衛生に関する業務を担当させる者。 50人以上の事業場で必要な安全管理者・衛生管理者に代わるもので、50人未満であることだけを理由に不要とはならない。
- 建築材料
- 建築材料は、建築物や工作物をつくるための材料。建築基準法では、主要な部分に使う一定の材料(指定建築材料)は、JISやJASに適合するか、国土交通大臣の認定を受けたものでなければならない。 品質の確認には、JISマークやJASマークの表示、製品の試験成績書などを使う。
- 景観計画区域
- 景観計画区域は、景観計画で定める、良好な景観の形成を図る区域。 区域内で建築物や工作物の新築・増築・外観の変更などをする者は、あらかじめ行為の種類や設計などを景観行政団体の長に届け出る(原則は許可ではなく届出)。基準に合わない場合は勧告や、形態意匠について変更命令を受けることがある。
- 準景観地区
- 準景観地区は、景観法に基づき、都市計画区域と準都市計画区域の外にある景観計画区域のうち、良好な景観が形成されている一定の区域について、市町村が指定する地区(景観法第74条)。 都市計画で定める景観地区に準じて、景観の保全のための規制を条例で定める。
- 無許可物件
- 無許可物件は、必要な許可を受けずに設置された物件。道路上の無許可の看板などは道路法の規制を受ける。 道路管理者は、過失なく所有者などを確知できない場合、自ら除却することができる。 道路上の無許可物件は、通行の妨げや事故の原因になるため、道路管理者が監督する。違反した者には、除却などの措置が命じられる。
- 目的規定
- 目的規定は、法律が何のためにあるかを示す最初の条文。屋外広告物法の第1条は、良好な景観の形成、風致の維持、公衆に対する危害の防止のために、屋外広告物と屋外広告業について必要な規制の基準を定めることを目的としている。 この目的の範囲で、条例による規制が行われる。
- 禁止場所
- 禁止場所は、屋外広告物条例で、広告物の表示や掲出物件の設置を禁止する場所として列挙されたもの。 禁止地域と同じく景観や安全を守るための規制で、どの場所が該当するかは条例の列挙で判断する。 列挙されていない場所は、禁止場所として扱われない。許可地域などの他の規定で判断する。
- 職長教育
- 職長教育は、労働安全衛生法に基づき、建設業などで新たに職長(作業中の労働者を直接指導・監督する者)になる人に、事業者が行う安全衛生教育。 作業方法の決定、労働者の配置、指導・監督の方法などを教える。作業主任者は対象から除かれる。 危険性・有害性の調査(リスクアセスメント)の方法なども教育内容に含まれる。
- 許可地域
- 許可地域は、屋外広告物条例で、広告物を表示するには知事などの許可を受けなければならないと定めた地域(屋外広告物法第4条に基づく)。 禁止地域以外で、景観の形成や公衆に対する危害の防止のために必要な地域を指定し、表示の基準に適合するものを許可する。
- 道路交通法
- 道路交通法は、道路での危険を防ぎ、交通の安全と円滑を図るための法律。 道路で工事や作業をする場合や、道路に工作物を設ける場合などは、所轄の警察署長の道路使用許可が必要になる。道路占用許可の対象でもある場合は、申請書を一方の窓口を経由して提出できる。
- 違反是正
- 違反是正は、法令に違反している状態を改めること。 建築基準法の違反建築物などについては、特定行政庁が意見書の提出などの手続きを経て是正命令を出す。建築監視員は緊急の場合の工事停止命令などを行う。 屋外広告物では、条例に基づき知事などが是正の措置を命じる。
広告デザイン(107語)
- CI
- CIは、コーポレート・アイデンティティの略で、企業の理念や個性を明確にし、それを社内外のあらゆる接点で一貫して示すための活動。 ロゴや色などの視覚要素(ビジュアルアイデンティティ)はその一部で、行動や考え方の統一も含む。店舗の看板やサインは、CIを街の中で表す重要な接点になる。
- DEC
- DECは、Daily Effective Circulationの略で、屋外広告の広告面を見る可能性のある1日あたりの有効な通行量を表す指標。 単なる通行量ではなく、広告面の向きや視認できる範囲を考えて、広告に接触しうる人や車の数を見積もる。米国のOOHで媒体価値の評価に使われてきた。
- LED
- LEDは、発光ダイオードのことで、半導体に電流を流すと光る素子。屋外広告では内照式看板の光源や、映像を表示する大型ビジョンに使われる。 消費電力が小さく寿命が長い。照明の光源は、燃焼(ろうそく)、熱放射(白熱電球)、放電(蛍光ランプ)、LEDの順に発展してきた。青色LEDの実用化でフルカラー表示が可能になった。
- OOH
- OOHは、Out of Homeの略で、家の外にいる人を対象とする広告媒体の総称。屋外広告物のほか、駅や車内の交通広告、商業施設内のデジタルサイネージなども含む。 通行量や接触の機会をもとに媒体価値を評価する。 屋外広告物はOOHの中心的な媒体で、移動中の人に繰り返し接触できる点が特徴。
- POP広告
- POP広告は、Point of Purchase(購買時点)広告の略で、店頭や売場に掲示して、商品への注意を引き、選択や購入を促す広告。 店内の値札やポスター、店頭ののぼりなどがある。購買の直前に働きかける点が、マス広告と異なる。 店頭の広告物は、屋外に表示する場合は屋外広告物条例の対象になることがある。
- のれん
- のれんは、店の入口の軒先に掛ける布で、屋号や商品名を表示する日本の伝統的な広告物。 屋号の表示のほか、店の信用や格式の表現、日よけ・ほこりよけ、営業中であることの表示など複数の役割を持つ。看板の起源のひとつとして、広告史の問題で取り上げられる。
- イラストレーション
- イラストレーションは、文章や情報の内容を、絵や図で分かりやすく視覚的に伝える表現。 写真と違い、伝えたい要素を強調したり省略したりでき、実物と同じ比率で正確に再現する必要はない。広告では、親しみやすさや印象づけのために使われる。 抽象化や誇張により、文字だけより早く内容や雰囲気を伝えられる。
- グレア
- グレアは、視野の中に極端に明るい部分があることで生じる、不快なまぶしさや見えにくさ。 照明器具や光沢のある表示面の鏡面反射で生じ、運転者や歩行者の視認性を下げる。反射式照明では器具の位置・角度や遮光で抑え、表示面は光沢を抑えた仕上げにする。 夜間の運転者に対するまぶしさは、交通の安全にも関わる。
- コミュニケーション
- コミュニケーションは、送り手と受け手の間で、記号やメッセージを通じて情報や意味を伝え合うこと。 言葉による伝達(バーバル)と、身振りや表情、色や形による言葉を使わない伝達(ノンバーバル)がある。屋外広告は、短い時間に視覚で伝えるコミュニケーション媒体である。
- シンボル
- シンボルは、ある概念や組織を象徴的に表す図形やマーク。企業のシンボルマークや、意味を図案化した記号などがある。 サインは標識やしるしを広く含む概念で、シンボルはその中で象徴性を持つものを指す。CIやVIの中核となる視覚要素である。 図形を単純化するほど、遠くからでも識別しやすくなる。
- スペーシング
- スペーシングは、文字と文字の間隔(字間)や行の間隔を調整すること。 文字の形によって見かけの間隔が不ぞろいになるため、均等に見えるように調整して、読みやすさと見た目の整いを高める。特定の文字の組み合わせの字間を詰めることはカーニングと呼ぶ。 遠くから見る看板では、字間が詰まりすぎると文字がつながって見える。
- セパレーション
- セパレーションは、配色で、隣り合う2色の間に白・黒・灰色などの別の色を細く挟む手法。 色どうしが強く反発する、あるいは似すぎてぼやける場合に、境界をはっきりさせて調和や見やすさを高める。挟む色をセパレーションカラーと呼ぶ。
- ネオン管
- ネオン管は、ガラス管にネオンやアルゴンなどのガスを封入し、高電圧の放電で発光させる光源。ガラス管を曲げて文字や図形をつくれる。 点滅などの演出に使われ、昔から屋外広告の代表的な光源だった。点灯には高電圧のネオン変圧器が必要で、近年はLEDへの置き換えが進んでいる。
- ノンバーバル
- ノンバーバルは、言葉を使わない伝達(非言語コミュニケーション)のことで、身振り、表情、視線、色、形などで意味を伝える。 ピクトグラムや色による表示は、言語の違いを越えて伝わるノンバーバルな手段として、サイン計画で重視される。 屋外広告では、色や形による印象づけもノンバーバルな伝達にあたる。
- ハレーション
- ハレーションは、彩度が高く明度の近い2色が接したときに、境界がちらついて見える現象。2色の明度差が小さいほど起こりやすい。 文字と地の色の組み合わせで起こると読みにくくなる。明度差をつける、2色の間に白・黒・灰色などの無彩色の線を入れて分ける(セパレーション)といった方法で防ぐ。
- バリアフリー
- バリアフリーは、高齢者や障害のある人が生活するうえでの障壁(バリア)を取り除くこと。 段差の解消など、すでにある障壁を後から取り除く考え方で、最初から多くの人が使えるように設計するユニバーサルデザインと重なる部分はあるが、出発点が異なる。 サインでは、車いす使用者の目線の高さや、点字・音声案内の併用などが例。
- ヒューマンスケール
- ヒューマンスケールは、人の身体の大きさや、人の目で見て感じる大きさに合った尺度。 路地や商店街の看板を周囲より大きくしすぎると、街の親しみやすさを損ないやすい。歩行者の視点に合った大きさと高さで計画することが求められる。
- ピクトグラム
- ピクトグラムは、情報や注意を、文字ではなく単純な絵(図記号)で伝える表示。トイレや非常口の表示が代表例。 言語や年齢を問わず理解しやすく、1964年の東京オリンピックで本格的に使われて広まった。日本では案内用図記号がJIS Z 8210に定められている。
- ポスターボード
- ポスターボードは、印刷したポスターを定期的に貼り替えて掲出する屋外の広告板。 米国では大きさが規格化され、交通量などのデータを使って掲出場所や期間を管理し、複数の都市でまとめて展開する媒体として運用されてきた。 掲出期間を区切って広告主を入れ替えることで、同じ広告面を多くの広告主が使える。
- マンセル表色系
- マンセル表色系は、色を色相(H)、明度(V)、彩度(C)の三属性で表す表色系。米国の画家マンセルが考案した。 「5R 4/14」のように色相・明度/彩度の順で記号化する。無彩色は彩度を持たないため「N8」のように明度だけで表す。景観色彩の基準を数値で示すのに使われる。
- メタルハライドランプ
- メタルハライドランプは、高圧水銀ランプの発光管に金属ハロゲン化物を加えて封入した放電ランプ(HIDランプ)。 効率と演色性が高く、大型看板の投光照明や競技場の照明に使われる。点灯してから明るさが安定するまで時間がかかり、消灯直後はすぐに再点灯できない。
- ユニバーサルデザイン
- ユニバーサルデザインは、年齢、国籍、能力などの違いにかかわらず、はじめからできるだけ多くの人が使いやすいように製品や環境を設計する考え方。米国のロナルド・メイスが提唱し、7つの原則が示されている。 サインでは、大きく読みやすい文字、明度差のある配色、ピクトグラムの併用などで実践される。
- ライフサイクルコスト
- ライフサイクルコスト(LCC)は、企画・製作・設置の費用だけでなく、点検や補修、電気代などの運用・維持管理の費用、撤去・処分の費用までを含めた、全期間の総費用。 初期費用が安くても、維持管理や更新の費用が大きければ総額は高くなる。広告物の経済性は、初期費用だけでなく、このライフサイクルコストで比べることが大切になる。
- ラッピング広告
- ラッピング広告は、大型の出力機で印刷したシートを、バスや電車の車体、建物の外装などに貼って表示する広告。 車体に表示する広告は屋外広告物条例の規制を受け、地域によっては景観の基準やデザインの審査がある。 建物の外装に施工する場合も、屋外広告物として許可などの規制を受ける。シートの劣化やはがれにも注意が必要。
- ランダムアクセス型
- ランダムアクセス型は、サイン計画で、利用者が多くの目的地の中から自由に行き先を選んで移動する空間の型。駅や大型商業施設などが該当する。 決まった順路を進むシークエンス型と違い、案内図や総合案内で全体を示し、目的地へ直接たどり着ける情報の配置が求められる。
- ランプ
- ランプは、電気で光を出す光源の総称。発光原理によって、熱放射による白熱電球やハロゲンランプ、放電による蛍光ランプや高圧放電ランプ(メタルハライドランプ・ナトリウムランプ)、半導体によるLEDに分かれる。 種類によって効率、寿命、演色性、色温度が異なり、看板の照明では目的に合わせて選ぶ。
- 人的販売
- 人的販売は、販売員が顧客と直接会って、説明や説得を通じて購買を促すプロモーションの手段。 広告は広告主を明らかにして、人を介さない媒体でメッセージを伝える点で、人的販売とは区別される。 人的販売は、相手の反応に合わせて説明を変えられる点が特徴で、高額な商品や専門的なサービスの販売で重視される。
- 信号機
- 信号機は、道路の交通を色の灯火などで制御する装置。灯火のLED化が進み、低消費電力・長寿命になった。 屋外広告物は、信号機や道路標識と紛らわしい色や形にしたり、その見通しを妨げたりしないよう規制されている。 信号機の近くでは、赤や黄の光を点滅させるなどの表示が制限されることがある。
- 光
- 光は、電磁波のうち人の目で感じられる範囲のもので、可視光と呼ばれる。波長はおよそ380〜780nm。 波長の短い側は紫、長い側は赤に見え、それより短い紫外線、長い赤外線は目に見えない。広告の照明や色の見え方を考える基本になる。 光の色や強さは、広告物の視認性や色の見え方を左右する。
- 光害対策
- 光害は、屋外照明などの光が過剰または不適切なために、夜空が明るくなって星空が見えにくくなる、まぶしさで周囲の住民や通行者に迷惑をかける、動植物に影響する、エネルギーが無駄になるといった問題を起こすこと。 光害対策では、夜空へ向かう光(上方光束)をできるだけ抑える。照明の向きや遮光で光を必要な範囲だけに当てる、明るさや点灯時間を適切に決める、といった方法がある。
- 光源
- 光源は、光を出すもの。太陽などの自然光源と、ランプなどの人工光源がある。 人工光源は、熱放射による白熱電球・ハロゲンランプ、放電による蛍光ランプ・メタルハライドランプ・ネオン管、半導体によるLEDなどに分かれ、効率・寿命・色温度・演色性が異なる。ハロゲンランプはハロゲンサイクルでフィラメントの消耗を抑える。
- 公共施設
- 公共施設は、道路、公園、駅、庁舎など、公共の用に供される施設。 公共施設に広告を導入すると、広告収入を維持管理や整備に活用できる一方、広告の内容、掲出の位置、安全性、景観、契約上の責任などを適切に管理する必要がある。 公共施設の命名権(ネーミングライツ)も、公共施設を広告に活用する例のひとつ。
- 内照式
- 内照式は、看板の内部に光源を入れ、半透明の表示面を裏側から照らして光らせる方式。夜間でも表示がはっきり見える。 外から光を当てる外照式(反射式)や、板の端から光を入れて面を光らせるエッジライト方式とは光の入れ方が異なる。交通量の多い場所では、まぶしさや信号機との紛らわしさなど安全面にも配慮する。
- 再利用
- 再利用は、使い終わった材料や部材を廃棄せず、もう一度使うこと。 広告物では、部材を分別しやすく、組み替えやすい設計にすることで再利用性が高まり、環境への負荷を減らせる。 部材の規格化やボルト接合の採用などにより、解体後の再利用がしやすくなる。看板の表示面だけを交換し、骨組みを再利用する方法もある。
- 分類
- 分類は、ここでは案内用のサインを機能で種類分けすること。サインは、目的に応じて、進む方向を示す誘導(方向)のサイン、場所を示す位置のサイン、内容を説明するサイン、禁止や注意を伝える規制のサインなどに分けて考える。 矢印と行き先名で進む方向を示し、利用者を目的地へ導くサインは、誘導(方向)のサインに分類される。
- 判読性
- 判読性は、文字や記号を見分けて正しく読み取れる度合い。 文字の大きさ、太さ、背景との明度差、書体などで決まる。文字の線幅は細すぎても太すぎても判読性が下がる。 文字の大きさは、見る距離に応じて決める。
- 判読時間
- 判読時間は、表示された情報を見て読み取るのにかかる時間。 情報量が多いほど長くなるため、移動しながら見る屋外広告では、情報を絞って短時間で読めるようにする。 運転者は広告を見られる時間が極めて短いため、文字数を少なくし、要点を大きく示すことが重要。歩行者向けでも、一目で分かる情報量に絞る。
- 反射式照明
- 反射式照明は、看板の外側に照明器具を置き、表示面に光を当てて反射光で見せる方式(外照式)。 器具の配光・位置・角度を調整して表示面をできるだけ均一に照らし、漏れ光やグレアを遮光などで防ぐ。表示面そのものは光らないため、背景との明るさの差に配慮する。
- 反転図形
- 反転図形は、見方によって図と地が入れ替わり、2通りの形に見える図形。ルビンの盃(向かい合う2つの顔にも盃にも見える)が代表例。 図と地の関係を示す例として、視覚心理の問題で取り上げられる。
- 可視光
- 可視光は、電磁波のうち人の目に見える範囲の光で、波長はおよそ380〜780nm。 光源から出る可視光の波長の成分によって、色の見え方(演色性)や光色(色温度)が変わる。 可視光より波長の短い紫外線は、看板の塗装や樹脂を劣化させる原因になる。そのため屋外の表示面には耐候性のある材料を使う。
- 可視光線
- 可視光線は、人の目に見える波長の電磁波(およそ380〜780nm)。波長の長い順に赤・橙・黄・緑・青・紫に見える。 赤より長い波長は赤外線、紫より短い波長は紫外線で、さらに短いものにX線やγ線がある。 太陽光は可視光線のすべての波長を含み、白色に見える。
- 可読性
- 可読性は、文章や文字列を読みやすく、内容を理解しやすい度合い。 書体、文字の大きさと太さ、字間・行間、背景との明度差などで決まる。欧文では、小文字の高さ(エックスハイト)の大きさも可読性に関わる。目を引く誘目性、存在が分かる視認性とは区別する。
- 同時対比
- 同時対比は、隣り合わせに置かれた色が互いに影響し合い、単独で見たときと違って見える現象。 周りの色の補色の方向に色みがずれて見える色相対比、明るさの差が強調される明度対比、鮮やかさの差が強調される彩度対比などがある。
- 図と地
- 図と地は、視覚で形として浮かび上がって見える部分(図)と、その背景になる部分(地)の関係。 文字を背景と同じような色や明度にすると図と地の分離が弱まり、遠くから読みにくくなる。看板の文字と背景には十分な明度差をつける。 輪郭がはっきりした閉じた形や、面積の小さい部分が図になりやすい。
- 実施設計図
- 実施設計図は、設計の最終段階でつくる、工事や製作に必要な寸法・材料・構造・仕様などを詳しく示した図面。基本設計をもとに描く。 製作図(施工図)は、この実施設計図をもとに、製作者が部材の寸法、材料、接合方法、加工方法などを詳細に描く図面で、製作に入る前に内容を確認する。
- 審美性
- 審美性は、広告物の形態や色彩のまとまり、周囲の環境との美的な調和など、美しさの観点からの評価。 機能性や経済性と並ぶ、広告物の評価の観点のひとつ。 広告物の評価では、審美性・機能性・経済性をあわせて考える。周囲の景観と調和した美しい広告物は、地域の魅力を高めることにもつながる。
- 屋外広告マスタープラン
- 屋外広告マスタープランは、自治体が地域の景観の特性を踏まえ、屋外広告物の将来の姿と誘導の方針をまとめた計画。 地区ごとの方針を示し、条例や景観計画による規制・誘導の基礎になる。 マスタープランでは、地区ごとに望ましい広告物の量・大きさ・色彩などの方向性を示し、規制と誘導の両面から広告景観を整えていく。地域の関係者と共有することが大切。
- 屋外広告士
- 屋外広告士は、屋外広告物の企画・設計・施工・管理に必要な知識を持つと認める資格。国土交通大臣の登録を受けた試験機関が試験を行う。 合格者は、屋外広告業の営業所ごとに置く業務主任者になれる。誘目性だけでなく、法令、構造の安全、景観、伝わりやすさを総合して扱うことが求められる。
- 屋外広告物
- 屋外広告物は、常時または一定の期間継続して、屋外で公衆に表示されるもので、看板、立看板、はり紙、はり札、広告塔、広告板、建物などに掲出・表示されたものと、これらに類するもの(屋外広告物法第2条)。 「常時または一定期間継続」「屋外」「公衆に表示」の3つが要件で、音声だけの宣伝や屋内の掲示は該当しない。
- 左官
- 左官は、壁や床に漆喰・土・モルタルなどをこてで塗って仕上げる仕事や職人。 漆喰とこてで文字や図柄を立体的に盛り上げる「鏝絵(こてえ)」は、商家の看板や装飾として使われた伝統的な技法である。
- 引札
- 引札は、江戸時代から明治時代にかけて、商店が商品や開店の知らせなどを木版刷りなどで作り、広く配った商業広告。現在のチラシにあたる。 縁起のよい絵柄を使ったものも多く、日本の広告の歴史で取り上げられる。 商店の宣伝に絵師が関わったものもあり、当時の生活や商習慣を伝える資料にもなっている。
- 彩度
- 彩度は、色の鮮やかさの度合いで、色相・明度とともに色の三属性のひとつ。マンセル表色系ではC(クロマ)で表す。 無彩色は彩度0。高彩度の色は目立つが、自然の中や落ち着いた街並みでは周囲から浮きやすく、景観の基準で上限が設けられることがある。 同じ色相でも、彩度を下げると落ち着いた印象になる。
- 恒常性
- 恒常性は、見る条件が変わって網膜に映る像が変わっても、物の大きさ・形・色・明るさを一定のものとして知覚する働き。 遠ざかる人の像が小さくなっても同じ大きさの人と感じるのは大きさの恒常性。照明が変わっても白い紙を白と感じるのは色の恒常性。 恒常性は、照明や距離が変わっても物を安定して認識できるようにする働き。
- 情報の序列化
- 情報の序列化は、伝えたい情報に優先順位をつけ、重要なものほど大きく目立つ位置に置くなど、見せ方に階層をつけること。 屋外広告やサインでは、見る距離や目的に応じて情報量と大きさを整理し、短い時間で要点が伝わるようにする。
- 明度対比
- 明度対比は、明るさ(明度)の違う色が隣り合うときに、明るい色はより明るく、暗い色はより暗く見える現象。同じ明度の色でも、背景(地)が暗いと明るく、背景が明るいと暗く見える。 2つの地の明度の差が大きいほど、見え方の差も強くなる。
- 景観
- 景観は、自然、建物、道路、看板などが組み合わさってつくる、目に見える地域の眺めやその印象。 屋外広告物は景観を構成する重要な要素で、量・大きさ・色彩・配置によって街の印象を大きく左右する。景観法や屋外広告物条例で、良好な景観の形成のための規制や誘導が行われる。
- 景観への影響
- 景観への影響は、広告物などが周囲の眺めに与える変化。 広告物は総量が同じでも、集中しているか分散しているか、大きさ、配置の連続性によって景観への影響が異なる。 同じ広告物でも、背景となる街並みや自然によって見え方が変わる。景観シミュレーションで事前に影響を確かめることが有効である。
- 景観コントロール
- 景観コントロールは、良好な景観を守り育てるために、広告物などの大きさと量、設置場所と掲出位置、色彩、光、音などを総合的に規制・誘導すること。 地域の特性に応じて、規制で抑える部分と、誘導して良くしていく部分を組み合わせる。景観計画や屋外広告物条例、地域のガイドラインなどが手段になる。
- 景観シミュレーション
- 景観シミュレーションは、広告物などを設置したときの景観を、写真の合成やCGなどで事前に予測し、評価すること。 広告物の大きさ、掲出位置、色彩などを変えながら、視点の位置や距離を設定して見え方を比べる。 住民との合意形成や、許可の審査にも使われる。
- 景観演出
- 景観演出は、広告物や照明、仮囲いのデザインなどを使って、街の景観に魅力やにぎわいを加えること。 工事現場の仮囲いの図柄のように、商品名などが目立たなくても、来街者の目に触れる象徴的な視覚表現として景観に影響する。 照明による夜間の景観演出では、まぶしさや光害に配慮する。
- 景観色彩
- 景観色彩は、街並みや自然の景観の中で使われる色彩。景観計画の基準では、自然環境に多く見られる低い彩度の色の範囲が目安になる。 マンセル表色系の色相・明度・彩度で基準を示し、高彩度の色の使用面積を制限することが多い。 地域の色彩の調査をもとに、基準となる色の範囲を定める。
- 景観調和
- 景観調和は、広告物などが周囲の景観となじみ、まとまりのある眺めをつくること。 地域の特性を踏まえ、形態・規模・素材・色彩などを総合して考える。目立たせることだけを優先しない。 周囲の建物の高さや軒のライン、素材、色彩の傾向をそろえると、まとまりのある街並みになる。目立つことと調和することの釣り合いを考える。
- 機能性
- 機能性は、広告物が役割を果たすための性能。情報の読みやすさ・分かりやすさ、安全性、耐久性、維持管理のしやすさなどを含む。 審美性・経済性と並ぶ広告物の評価の観点のひとつで、目的や設置場所に応じて重視する点が変わる。 機能を満たすことは、審美性を考えるうえでの前提となる。
- 歩行者動線
- 歩行者動線は、歩行者が施設や街の中を移動する経路。 サインは動線の分岐点や判断が必要な場所に置き、通行の妨げにならない位置に設ける。動線に沿って情報を連続させると、目的地まで迷わず誘導できる。
- 測色
- 測色は、色を数値で測ること。測色計を使う方法と、色票と見比べる視感測色がある。 屋外で離れた位置から測る場合は、自然光や周囲の環境の影響を受けるため、測る条件や時刻を決めて比較できるようにする。景観の色彩基準の確認に使う。 測定結果はマンセル値などで記録する。
- 演色性
- 演色性は、光源で照らした物の色が、基準の光で照らしたときの色にどれだけ近く見えるかを表す性質。一般に平均演色評価数Ra(最大100)で表す。 Raが高いほど自然な色に見える。照度(lx)や輝度(cd/m²)とは別の指標。 Raが低い光源では、看板の色が本来と違って見えることがある。
- 無彩色
- 無彩色は、白・灰色・黒のように色みを持たない色で、彩度は0。 マンセル表色系では色相を持たないため、「N8」のようにNと明度の数値だけで表す。色みを持つ色は有彩色という。 無彩色は他の色と組み合わせやすく、セパレーションの色にも使われる。看板では、背景の無彩色と文字の明度差で読みやすさをつくることが多い。
- 照明
- 照明は、光を当てて物を見やすくすること。光源には、太陽光(自然照明)、熱放射による白熱電球、放電による蛍光ランプや水銀ランプ、半導体によるLEDなどがある。 看板の照明には、内部から照らす内照式と、外から照らす外照式(反射式照明)がある。 周辺への光漏れや光害にも配慮する。
- 環境配慮
- 環境配慮は、広告物の企画・製作・設置・撤去の各段階で、資源やエネルギーの消費、廃棄物を減らし、環境への負荷を小さくすること。 長く使える設計、再利用しやすい部材、省エネルギーの光源の採用などがある。短期間の作り替えを繰り返すことは環境配慮に反する。
- 発光
- 発光は、物質が光を出すこと。照明の光源では、熱放射(白熱電球)、放電(蛍光ランプ・水銀ランプ・ネオン管)、電界発光(LED)などの原理が使われる。 発光原理によって効率や寿命、色の見え方が異なる。 発光する広告物は夜間の視認性が高いが、まぶしさや光害に配慮が必要になる。
- 省資源
- 省資源は、必要な規模と数量に抑えて、材料の使用量や将来の廃棄量を減らすこと。 必要以上に大きな広告物をつくることは省資源の目的に反する。 長く使える丈夫な構造にすること、部材を再利用できる設計にすることも省資源につながる。製作時の材料の無駄を減らす工夫も含まれる。
- 矢印
- 矢印は、サインで進む方向や位置を示す記号。進行方向を示す誘導(方向)のサインでは、行き先名とともに使い、利用者が迷わないよう向きの使い方を統一する。 斜め下向きの矢印を後方を示すものとして使うのは適切でない。
- 空気遠近法
- 空気遠近法は、遠くの物ほど大気の影響で輪郭がぼやけ、彩度が下がり、青みがかって明るく見えることを利用して奥行きを表す方法。 景観の中では、遠景にある広告物の色が見え方として変わることに関係する。
- 突き出し広告
- 突き出し広告は、建物の壁面から道路側へ直角に突き出して取り付ける広告物。袖看板とも呼ばれる。 通行する人から見やすいが、突き出す量は通行の安全や道路の占用、構造の基準、維持管理を考えて決める。 道路上に突き出す場合は、道路占用許可も必要になる。条例で突出幅や地上からの高さの基準が定められていることが多い。
- 美しさ
- 美しさは、広告物の形・色・構成の整い。広告物単体だけでなく、周囲の環境との関係で評価される。 厳しい気象条件の場所でも、美しさへの配慮が不要になるわけではない。 素材や仕上げの質、細部の納まりも美しさの印象を左右する。広告物の美しさは、街全体の景観の質を高めることにつながる。
- 自動販売機
- 自動販売機は、街角に多く置かれ、本体の色や装飾、表示が景観に影響する設備。 周囲の景観に合わせて彩度を抑えた色にするなどの配慮が求められ、地域によっては条例や景観の基準で色や表示が誘導される。
- 自家広告物
- 自家広告物は、自分の店舗や事業所に、店名や営業内容などを表示する広告物。 店の存在を伝えるだけでなく、通りの高さや素材、照明、歩行者の視点を考え、街並みと調和するように計画する。 許可が不要となる自家用広告物の基準を超える場合は、許可が必要になる。
- 自然景観
- 自然景観は、山・川・海・田園など自然が主体となった景観。 自然の中では高彩度の色が突出しやすいため、広告物は彩度を抑え、文字や図形は適切な明度差で読ませると、周囲との調和と視認性を両立できる。 自然公園などでは、広告物の表示が厳しく制限されることが多い。
- 色彩
- 色彩は、物の色や光の色のこと。色相・明度・彩度の三属性で表される。 暖色系や明度の高い色は前に出て見え(進出色)、寒色系や明度の低い色は後ろに下がって見える(後退色)。この効果は周囲との明度差が大きいほど強くなる。広告物では、目立たせることと景観との調和の両方を考えて色彩を選ぶ。
- 色彩調和
- 色彩調和は、複数の色を組み合わせたとき、まとまりがあり快く感じられる状態。 ジャッドは、色空間で規則的に選んだ色の組み合わせ(秩序)、自然界で見慣れた配色(なじみ・親近性)、共通の要素を持つ色(共通性・類似性)、あいまいでない明快な配色(明瞭性)を調和の原理として整理した。
- 色温度
- 色温度は、光源の光の色を、同じ色の光を出す黒体の温度で表したもの。単位はケルビン(K)。 色温度が低いほど赤み(電球色など)、高いほど青み(昼光色など)が強い。看板の照明では、表示面の色の見え方や周囲の雰囲気に合わせて選ぶ。 昼光は時刻や天候によって色温度が変わる。
- 色相
- 色相は、赤・黄・緑・青・紫など、色みの違いを表す属性で、色の三属性のひとつ。 マンセル表色系では、R・YR・Y・GY・G・BG・B・PB・P・RPの10色相を基本に色相環で表し、色相環で向かい合う位置の色が補色になる。 補色どうしを並べると、互いの色が鮮やかに見える。
- 色覚
- 色覚は、光の波長の違いを色として感じ分ける働き。網膜の3種類の錐体の反応の組み合わせで色を感じる。 色の感じ方には個人差(色覚の多様性)があるため、サインでは色だけに頼らず、文字、形、明度差、模様を組み合わせて情報を伝える。 赤と緑の区別がつきにくい場合が多いため、その組み合わせに頼らない。
- 袖看板
- 袖看板は、建物の壁面から道路側へ突き出して取り付ける看板(突き出し広告)。 通行する人から見やすい一方、片持ちの構造になるため、取付け部の強度や落下防止、道路上に突き出す場合の高さや突出幅の基準に注意する。色彩や素材は建物や街並みとの調和を考える。
- 視力
- 視力は、物の細部を見分ける目の能力。視力1.0は、適度な明るさのもとで視角1分(1/60度)の間隔を見分けられる視力と定義される。 看板の文字の大きさは、見る距離と想定する視力から決める。 視力の低下に配慮し、文字の大きさに余裕を持たせる。見る距離が2倍になれば、同じ見え方を得るには文字の大きさも約2倍必要になる。
- 視細胞
- 視細胞は、網膜にあって光を受け取り、神経の信号に変える細胞。色を感じ明るい場所で働く錐体と、明暗を感じ暗い場所で働く杆体がある。 角膜と水晶体を通った光は網膜に像を結び、視細胞の信号が視神経を通って脳に伝わる。 暗い所では杆体が主に働くため、色が見分けにくくなる。
- 視認性
- 視認性は、物の存在や形が見つけやすく、見分けやすい度合い。 背景との明度差や大きさ、照明の条件で決まる。外照式の看板は表示面が光らないため、背景や周囲の明るさとの差をつけて視認性を確保する。目を引きつける誘目性、読みやすさの可読性と区別する。
- 誘目性
- 誘目性は、意識していない人の目を引きつける度合い。 一般に赤や黄などの暖色系で彩度の高い色ほど誘目性が高い。存在が分かりやすい視認性、読み取りやすい可読性と区別して使う。 誘目性が高すぎる配色は、景観との調和を損なうおそれがあり、景観の基準で彩度などが制限されることがある。目的に応じて使い分ける。
- 透明視
- 透明視は、重なった図形の色や明るさの関係から、一方が透けて見えるように感じる知覚。 色の組み合わせだけでなく、図形の重なり方や輪郭のつながりといった形の条件がそろったときに起こる。
- 通行量
- 通行量は、ある場所を通る人や車の数。屋外広告の媒体としての価値を評価する基本の指標。 広告面を見る可能性のある有効な通行量はDEC(Daily Effective Circulation)として表される。 時間帯や曜日による変動も考慮する。交通量調査などで実測して把握する。
- 道路情報板
- 道路情報板は、道路管理者が設置し、渋滞・通行止め・気象などの情報を表示する可変表示板。 運転者が見る時間は極めて短いため、色の数や情報量を絞り、誤認されない表示にする。 道路情報板と紛らわしい表示の広告物は、交通の安全を妨げるため規制される。設置場所の周辺では広告物の色や点滅に注意する。
- 遠隔通信
- 遠隔通信は、離れた場所にいる相手に情報を伝える手段。古くは、のろし、旗による信号、太鼓や鐘の音などが使われた。 視覚や聴覚で遠くまで情報を伝える方法の歴史として、広告やサインの起源と関連づけて扱われる。 現代では、デジタルサイネージなどに通信技術が使われている。
- 配色
- 配色は、2つ以上の色を組み合わせること。 同じ色相で明度を変える濃淡配色、似た色相や同じトーンでまとめる類似配色、補色など離れた色相を組み合わせる対照配色などがある。広告物では、背景と文字の明度差をつけて読みやすくする。 配色の効果は、色の面積の比率によっても変わる。
- 錯視
- 錯視は、図形の長さ・大きさ・方向などが、実際とは違って見える目の錯覚。 同じ長さの線分が矢羽根の向きで違って見えるミュラー・リヤー錯視などがある。デザインでは、文字や図形の見かけの大きさや位置をそろえる調整に関係する。
- 高齢者への配慮
- 高齢者への配慮は、加齢による視力の低下やまぶしさへの弱さ、色の見え方の変化などを踏まえて、サインや広告を見やすく分かりやすくすること。 大きな文字、簡潔な表現、はっきりした明度差、グレアの少ない照明などが重要になる。 案内の表示位置を低くしすぎず高すぎない、見やすい高さにする。
- カメラ
- カメラは、レンズで集めた光を感光材料やセンサに当て、像を記録する装置。広告写真の撮影に使われる。 初期の機械式フィルムカメラには電池を使わないものがあり、現在はデジタルカメラが主流になっている。 写真は、商品や情景を写実的に伝える広告表現として、イラストレーションとともに使われてきた。屋外広告の大判出力にも写真が多く用いられる。
- テクスチャー
- テクスチャーは、材料の表面の質感やきめ(ざらざら・つるつるなど)のこと。 照明の当たり方による陰影で見え方が変わり、色の感じ方にも影響する。看板の素材選びでは、周囲の建物の質感との調和も考える。 同じ色でも、表面のつや(光沢)や凹凸によって見え方が変わる。木・石・金属などの素材感を生かした看板は、街並みとなじみやすい。
- トーン
- トーンは、色の明度と彩度を合わせた色の調子のことで、明るい・暗い、鮮やか・くすんだといった印象を表す。 日本色研配色体系(PCCS)ではペール、ビビッド、ダークなどのトーン区分で色を整理し、同じトーンでそろえると調和しやすい。 広告物の色を周囲の建物のトーンに合わせると、景観との調和を図りやすい。
- ビジュアルアイデンティティ
- ビジュアルアイデンティティは、シンボルマーク、ロゴタイプ、コーポレートカラー、キャラクターなどの視覚要素を統一し、企業やブランドを一貫した見え方で示すこと。 CIの視覚面を担い、店舗の看板やサインに統一して展開することで認知を高める。
- プロモーション
- プロモーションは、商品やサービスの購買を促すための活動の総称。広告、販売促進、広報(PR)、人的販売などを組み合わせて行う。 屋外広告は、同じ広告主の統一したデザインを多くの場所に掲出することで、プロモーション全体の効果を高めることができる。
- 中心視
- 中心視は、視線を向けた網膜の中心部(中心窩)で見ることで、形や色、細部をはっきり識別できる。 視野の周辺で見る周辺視は、細部は見分けにくいが、動きや明暗、位置をとらえる働きがある。歩行者や運転者は、まず周辺視で広告に気づき、中心視で読み取る。
- 文字サイズ
- 文字サイズは、看板やサインの文字の大きさ。見る距離が遠いほど大きな文字が必要になる。 歩行者や運転者が広告を見る時間は短いため、短時間で読める大きさと、背景との十分な明度差を確保する。高齢者への配慮でも、大きな文字が重要になる。 高齢者や弱視の人にも配慮して、余裕のある大きさにする。
- 案内用図記号
- 案内用図記号は、公共施設などで情報を伝えるためのピクトグラムで、JIS Z 8210に定められている。 トイレ、非常口、エレベーターなどの図記号があり、矢印の向きの意味(上向きは前方など)も使用例として示されている。言葉が分からない人にも伝わるサインに使われる。
- 欧文書体
- 欧文書体は、アルファベットなどの欧文の文字のデザイン。線の端にセリフ(うろこ状の飾り)を持つセリフ体(ローマン体)、セリフのないサンセリフ体、手書きのような筆記体のスクリプト体などに分類される。 サンセリフ体は線の太さが均一に近く、遠くから読む看板やサインに向いている。
- 経済性
- 経済性は、広告物にかかる費用の妥当性。初期費用だけでなく、設置、維持管理、撤去までを含めた総費用で評価する。 審美性や機能性と並ぶ、広告物の評価の観点のひとつ。 安価な材料でも、劣化が早く補修や更新が多いと、総費用は高くなることがある。長期的な視点で材料や構造を選ぶ。
- 色相対比
- 色相対比は、色相の異なる色を並べたとき、互いの色相の差が強調されて見える現象。同時対比のひとつ。 背景の色の補色の方向に色みがずれて見える。明るさの差が強調される明度対比、鮮やかさの差が強調される彩度対比と区別する。
- 車体利用広告
- 車体利用広告は、バスや電車、トラックなどの車体に表示する広告。大型の出力機で印刷したシートを貼るラッピング広告が多い。 屋外広告物条例の規制を受け、地域によっては業界団体による自主審査も運用されている。 走行する車両の広告は、運転者の注意をそらさないデザインにすることも求められる。
設計・施工(71語)
- あと施工アンカー
- あと施工アンカーは、硬化したコンクリートに孔をあけ、あとから埋め込んで固定するアンカー。看板などを既存の建物に取り付けるときに使う。 金属の拡張で固定する金属拡張アンカーと、接着剤で固定する接着系アンカーがある。耐力は埋込み長さのほか、アンカーの間隔、へりあき(端からの距離)、母材の強度やひび割れ、孔の清掃などの施工状態で変わる。
- かぶり厚さ
- かぶり厚さは、鉄筋の表面からコンクリートの表面までの最短距離。鉄筋の中心から測るのではない。 コンクリートのアルカリ性で鉄筋を錆から守り、火災時に鉄筋の温度上昇を遅らせる役割がある。建築基準法施行令では、耐力壁・柱・はりは3cm以上、直接土に接する壁・柱・床などは4cm以上、基礎は6cm以上などと定めている。
- すみ肉溶接
- すみ肉溶接は、直角に近い角度で重ねたり突き当てたりした2つの部材の隅に、三角形の断面で溶着金属を盛る溶接。 のど断面でせん断力を伝え、のど厚はサイズの約0.7倍とする。応力を伝えるすみ肉溶接の有効長さは、原則としてサイズの10倍以上かつ40mm以上とする。完全に溶け込ませる突合せ溶接とは力の伝え方が異なる。
- たわみ
- たわみは、荷重を受けた梁などの部材が曲がって変位する量。 部材のヤング係数Eと断面二次モーメントIの積(曲げ剛性)が大きいほど小さく、スパンが長いほど大きくなる。同じ荷重とスパンでは、自由端をもつ片持ち梁のたわみが最も大きい。広告塔では、過大なたわみが揺れや部材の損傷の原因になる。
- つり足場
- つり足場は、上部の構造物からワイヤロープやチェーンで作業床をつり下げた足場。橋の下面や高所の壁面の作業に使う。 労働安全衛生規則では、つり足場の上で脚立やはしごなどを使って作業することを禁止している。作業床はすき間のない構造とし、組立て・解体には作業主任者を選任する。
- ガス圧接
- ガス圧接は、鉄筋の端面どうしを突き合わせ、ガスバーナーで加熱しながら圧力を加えて接合する方法。鉄筋コンクリートの鉄筋の継手に使われる。 接合する面にさび・油・塗料などが残っていると十分な強度が出ないため、圧接の前にそれらを取り除いてから接合する。
- クリープ
- クリープは、一定の荷重をかけ続けたとき、時間の経過とともにひずみ(変形)が増えていく現象。 コンクリートやプラスチック、木材で起こりやすい。繰り返しの荷重で強度が下がって破壊する疲労破壊とは別の現象。 広告物の樹脂板やコンクリートの部材では、長期間の荷重による変形の進行を考えて設計する。
- コンクリート
- コンクリートは、セメント・水・細骨材(砂)・粗骨材(砂利)を練り混ぜて固めた材料。広告塔の基礎などに使う。 圧縮には強いが引張りには弱いため、鉄筋で補強して鉄筋コンクリートとして使う。強度は水セメント比が小さいほど高くなる。練混ぜ水には、鉄筋の腐食や耐久性に悪影響を与える油・酸・有機物などを含まないものを使う。
- ステンレス鋼
- ステンレス鋼は、鉄にクロム(約10.5%以上)を加え、表面にできる薄い不動態皮膜で錆びにくくした合金鋼。 看板の切り文字や金物に使われる。ニッケルを含むオーステナイト系(SUS304など)は一般に磁性がなく、フェライト系やマルテンサイト系は磁性がある。
- プラスチック
- プラスチックは、合成樹脂を主成分とする材料。加熱すると軟らかくなる熱可塑性のもの(アクリル、塩化ビニル、ポリカーボネートなど)と、一度硬化すると軟らかくならない熱硬化性のもの(エポキシ樹脂など)がある。 金属より軽く、電気絶縁性に優れるが、熱による伸び縮みが大きく、紫外線で劣化しやすい。
- 中性化
- 中性化は、空気中の二酸化炭素がコンクリートに入り込み、アルカリ性が失われていく現象。 アルカリ性が失われると鉄筋の表面を守る不動態皮膜が壊れ、鉄筋が錆びやすくなる。かぶり厚さを十分に取ること、水セメント比を小さくして密実なコンクリートにすることが対策になる。
- 劣化
- 劣化は、紫外線、熱、雨水、温度変化などで、材料の性能が時間とともに低下すること。 塗膜の退色・はく離、シーリング材の硬化・ひび割れ、鋼材の腐食、樹脂板の変色などがある。広告物は定期的に点検し、劣化に応じて補修や更新を行う。 劣化を放置すると、落下などの事故の原因になる。
- 反力
- 反力は、構造物に荷重が加わったとき、支点が構造物を支えるために返す力。 力のつり合い(水平・鉛直の力の和と、モーメントの和がそれぞれ0)から求める。広告塔では、基礎や支点に生じる反力を求めて、基礎の大きさやアンカーを決める。
- 圧縮強度
- 圧縮強度は、材料が押しつぶされる力に耐えられる最大の応力。コンクリートの品質を表す代表的な指標。 コンクリートは水セメント比が大きいほど組織が粗くなり、圧縮強度が下がる。一般に材齢28日の強度を基準とする。 設計で求める強度(設計基準強度)を満たすよう、配合を決めて管理する。
- 地盤
- 地盤は、構造物を支える土や岩の層。広告塔の基礎の安定性は、地盤が支えられる力(地耐力)で決まる。 地盤の性質は標準貫入試験などで調べ、軟弱な地盤では地盤改良や杭基礎で必要な支持力を確保する。 地盤の強さが不足すると、広告塔の傾きや転倒の原因になる。地盤の性質に応じて、直接基礎か杭基礎かを選ぶ。
- 地震力
- 地震力は、地震の揺れによって構造物に働く力。重さに水平震度を掛けて求める。 屋上や壁面に取り付ける広告物は、建物の揺れが増幅されて伝わるため、地上に独立して建てるものより大きな水平震度で検討する。広告塔は地震力と風圧力の両方を検討する。 地震力は重さに比例するため、広告物を軽くすることも有効な対策になる。
- 基礎工事
- 基礎工事は、建物や工作物にかかる荷重を地盤に伝えるための基礎をつくる工事。看板の基礎では、根切り(地盤を掘ること)、必要に応じて杭の施工、型枠・配筋、コンクリートの打設、埋戻しなどを行う。 根切り底を乱したときは締め固めるなど適切に処置する、埋戻しは十分に締め固める、支持杭は支持層まで確実に到達させる、といった点が基本になる。
- 塗装
- 塗装は、材料の表面に塗料を塗って膜をつくり、錆などから守り、見た目を整えること。 高い湿度や低温では塗膜の乾燥や付着が悪くなるため、気象条件を確認して施工を中止・延期する判断が必要になる。素地調整(錆や汚れの除去)が仕上がりと耐久性を左右する。
- 壁面看板
- 壁面看板は、建物の外壁面に取り付ける看板。 外装パネルの接合部や押さえ金物に緩み・変形・シーリングの劣化が生じると、風や雨水で破損や落下のおそれがあるため、定期的な点検が必要。建物に取り付けるため、地震時は建物の揺れの影響を受ける。 取付けには、外壁の下地に合ったアンカーを使う。
- 定着
- 定着は、鉄筋の端をコンクリートの中に十分な長さ埋め込み、引き抜けないように固定すること。 必要な長さ(定着長さ)は鉄筋の太さやコンクリートの強度で決まり、柱の出隅の主筋などでは端部にフックを設ける。 定着が不十分だと、鉄筋が引き抜けて部材が力を伝えられなくなる。広告塔の柱脚では、アンカーボルトを基礎のコンクリートに十分定着させる。
- 山留め
- 山留めは、地盤を掘削するとき、周囲の土が崩れないよう、矢板や切ばりなどで掘削面を支えること。 深い基礎をつくる工事で必要になる。基礎の下の地盤を整える地業とは別の工事。 掘削が深い場合や周囲に建物がある場合は、山留めの計画が安全の要になる。掘削中は山留めの変形や周囲の地盤の沈下を点検する。
- 座屈
- 座屈は、細長い部材に圧縮力が加わったとき、ある大きさを超えると急に横にはらみ出して曲がり、耐えられなくなる現象。 部材が細長いほど(細長比が大きいほど)座屈しやすく、両端の支持条件が弱いほど座屈しやすい。広告塔の柱などの圧縮材では、座屈を考えて断面と支持を決める。
- 弾性
- 弾性は、力を加えて変形した物体が、力を取り除くと元の形に戻る性質。 弾性の範囲では応力とひずみが比例し(フックの法則)、その比がヤング係数。限度を超えると力を除いても変形が残る塑性の状態になる。 鋼材は弾性範囲を超えても、大きく変形してから破断する(延性がある)。
- 応力
- 応力は、部材に外から力が加わったとき、内部に生じる力を単位面積あたりで表したもの(N/mm²など)。 引張応力、圧縮応力、せん断応力、曲げ応力がある。弾性限度内の小さな応力でも、何度も繰り返すと損傷が蓄積して疲労破壊を起こすことがある。 許容応力度と比較して部材の安全を確かめる。
- 掘削
- 掘削は、基礎をつくるためなどに地盤を掘ること。 手掘りで地山を掘削する場合は、地山の種類に応じて掘削面の勾配や高さの基準が労働安全衛生規則で定められている。深く掘る場合は山留めで崩壊を防ぐ。 掘削の前には、埋設物(ガス管・水道管・電線など)の位置を確認する。
- 摩擦接合
- 摩擦接合は、高力ボルトで部材を強く締め付け、接合面に生じる摩擦力で力を伝える接合方法。 接合面(摩擦面)は所定のすべり係数を確保するため、赤錆を発生させるかブラスト処理を行い、通常の錆止め塗装はしない。 摩擦面に塗装したり油が付いたりすると、すべり係数が下がって必要な力を伝えられなくなる。
- 施工
- 施工は、設計図書に基づいて工事を行うこと。 溶接やボルト締め、コンクリート打設などでは、材料や母材の状態、気象条件、作業手順を管理し、施工後に検査を行って品質を確保する。 施工計画書を作り、手順・工程・安全対策を事前に決めておく。高所作業や重量物の取付けでは、作業の安全確保が特に重要になる。
- 有効長さ
- 有効長さは、溶接で実際に力を伝えるとみなす長さ。すみ肉溶接では、始端と終端の不完全な部分を除き、溶接の全長からすみ肉のサイズの2倍を引いた長さとする。 応力を伝えるすみ肉溶接の有効長さは、原則としてサイズの10倍以上かつ40mm以上とする。 のど厚と有効長さの積が有効断面積になる。
- 枠組足場
- 枠組足場は、鋼管でつくった建枠・布板・筋かいなどの部材を組み合わせて組み立てる足場。強度があり、高い建物の外部の工事に使う。 労働安全衛生規則では、建物に固定する壁つなぎの間隔を、垂直方向9m以下、水平方向8m以下と定めている。 組立て・解体では作業主任者の指揮のもとで作業する。
- 柱
- 柱は、上からの荷重を受けて基礎へ伝える鉛直の部材。広告塔では、広告板の重さや風圧力・地震力を受け、圧縮力と曲げを同時に受ける。 細長い柱は座屈に注意する。鉄筋コンクリートの柱では、主筋の定着やかぶり厚さ(3cm以上)を確保する。 柱脚は基礎にアンカーボルトで固定する。
- 構造計算
- 構造計算は、荷重や外力に対して構造物の各部が安全かを計算で確かめること。 広告塔では、自重、風圧力、地震力などから部材の応力を求め、許容応力度以下であることを確認する。構造計算書は、設計図書とは別の書類として扱われる。 計算の前提となる荷重や材料の数値の根拠も明らかにする。
- 構造設計
- 構造設計は、構造物が荷重に耐えるよう、部材の形状・寸法・接合方法・基礎などを決める設計。 大型の広告物では、風圧力だけでなく自重や地震力も考え、地盤の状態に合った基礎を計画する。 部材の接合部や柱脚の設計は、広告物の安全性を大きく左右する。施工のしやすさや維持管理も考えて構造を決める。
- 標準貫入試験
- 標準貫入試験は、地盤の固さを調べる試験。重さ63.5kgのハンマーを76cmの高さから自由落下させ、サンプラーを30cm打ち込むのに要した打撃回数をN値とする。 N値が大きいほど固い地盤。
- 樹脂
- 樹脂は、ここでは合成樹脂(プラスチック)のことで、看板の表示面、塗料、接着剤などに使われる。 加熱すると軟らかくなり成形し直せる熱可塑性樹脂(アクリル、塩化ビニル、ポリカーボネートなど)と、硬化反応で固まり、加熱しても再び軟らかくならない熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など)がある。
- 水セメント比
- 水セメント比は、コンクリートに含まれる水の質量をセメントの質量で割った値(%)。 小さいほど組織が緻密になり、強度と耐久性が高く、中性化も進みにくい。大きいと練り混ぜやすいが、強度が下がり、乾燥収縮やひび割れが増える。 屋外の構造物では、耐久性を考えて水セメント比の上限を定める。
- 溶接
- 溶接は、金属の接合部を熱で溶かし、溶着金属で一体に接合する方法。鋼製の広告塔や看板の骨組みの接合に使う。 突合せ溶接、すみ肉溶接などがあり、母材や開先の状態、気象条件、溶接条件を管理し、施工後に外観や内部の欠陥を検査する。強度の異なる鋼材を溶接する場合、接合部の強さは弱い方の母材で決まる。
- 溶融亜鉛めっき
- 溶融亜鉛めっきは、鋼材を溶かした亜鉛(約450℃)に浸して、表面に亜鉛の被膜をつくる防食方法。 亜鉛は鉄よりイオン化傾向が大きいため、被膜に傷がついても先に亜鉛が溶けて鉄を守る(犠牲防食)。屋外の鉄骨やボルトに広く使われる。 めっき後に塗装を重ねる方法もある。
- 疲労破壊
- 疲労破壊は、弾性範囲の小さな力でも、何度も繰り返し加わることで損傷が蓄積し、突然破壊する現象。 風で揺れ続ける広告塔の溶接部やボルトなどで起こりうる。一定の荷重で時間とともにひずみが増えるクリープとは別の現象。 応力の集中しやすい溶接部の形状や仕上げに注意する。
- 突出し看板
- 突出し看板は、建物の壁面から道路側などへ突き出して取り付ける看板。道路を行き来する人や車から見えやすい。 取付け部の腐食、ボルトの緩み、外壁の劣化などが原因で落下事故につながることがあるため、定期的な点検と維持管理が欠かせない。道路法上の道路の上空に突き出すときは、屋外広告物条例の許可とは別に、道路管理者の占用許可が必要になる。
- 突合せ溶接
- 突合せ溶接は、2つの部材の端を突き合わせ、開先を設けて部材の厚さ全体を溶かし込んで接合する溶接(完全溶込み溶接)。 母材に近い強さで力を伝えられる。のど断面のせん断で力を伝えるすみ肉溶接とは力の伝え方が異なる。 内部の欠陥は超音波探傷検査などで確かめる。
- 細長比
- 細長比は、圧縮材の座屈長さを断面二次半径で割った値で、部材の細長さを表す。 細長比が大きいほど座屈しやすく、許容される圧縮の応力度が小さくなる。そのため、構造の規定では部材の種類ごとに細長比の上限が設けられている。 座屈長さは、部材の両端の支持条件によって変わる。
- 継手
- 継手は、部材どうしを長さ方向につなぐ部分。鉄骨では溶接や高力ボルト、鉄筋では重ね継手・ガス圧接・機械式継手などを使う。 応力の伝達上の弱点になりやすいため、原則として応力の小さい位置に設ける。 鉄筋の継手は、同じ位置に集中させないよう、ずらして配置する。
- 脆性破壊
- 脆性破壊は、材料がほとんど変形しないまま、急に割れるように壊れる現象。 鋼材では、低温や切欠き、溶接の欠陥などで起こりやすい。大きく変形してから壊れる延性破壊より危険で、前兆がとらえにくい。 寒冷地の鋼構造では、低温でもねばりのある鋼材を選ぶ。
- 腐食
- 腐食は、金属が水分や酸素と化学的・電気化学的に反応して劣化する現象。鉄の錆が代表例。 鋼材の表面に局部電池ができると腐食が進む。塗装、溶融亜鉛めっき、ステンレス鋼の使用などで防ぐ。異なる金属が接すると、イオン化傾向の大きい方が先に腐食する。 水がたまる部分や異種金属の接触部は特に腐食しやすい。
- 荷重
- 荷重は、構造物に加わる力。広告物では、自重などの固定荷重、風圧力、地震力、積雪荷重などを考える。 長く継続する荷重(長期)と、風や地震のように一時的な荷重(短期)に分けて組み合わせ、それぞれ許容応力度以内であることを確かめる。 荷重が作用する位置や向きも考慮する。
- 足場
- 足場は、高い所で作業するために仮に設ける作業床とその支持構造。枠組足場、単管足場、つり足場などがある。 労働安全衛生規則では、高さ2m以上の作業床は幅40cm以上とし、墜落の危険がある箇所には高さ85cm以上の手すりなどを設ける。足場にシートを張るときは、風を受ける力を考えて支持部材の間隔を決める。
- 軸方向力
- 軸方向力は、部材の軸の方向に働く力(引張力または圧縮力)。 トラスなどの部材の軸方向力は、節点での力のつり合い(水平方向と鉛直方向の力の和がそれぞれ0)から求める。 引張を正、圧縮を負として扱うことが多い。部材の軸方向力が分かれば、断面積で割って応力度を求め、許容応力度と比べる。
- 速度圧
- 速度圧は、風が構造物に当たるときの圧力の大きさを表す値で、風圧力の計算のもとになる。 建築基準法施行令ではq=0.6EV₀²(Eは高さや周囲の状況による係数、V₀は地方ごとに30〜46m/sの範囲で定める基準風速)で求める。風速の2乗に比例するため、風速が1.5倍になれば速度圧は2.25倍になる。
- 鉄筋
- 鉄筋は、コンクリートの中に入れて引張力を受け持たせる棒状の鋼材。表面に節のある異形鉄筋が主に使われる。 コンクリートのアルカリ性で錆から守られるため、十分なかぶり厚さを確保する。加工性と溶接性のため、炭素量の比較的少ない鋼材を使う。 鉄筋の継手や定着の長さも規定に従う。
- 鋼材
- 鋼材は、鉄に少量の炭素などを加えた鋼でつくった材料。H形鋼、角形鋼管、山形鋼などがあり、広告塔の骨組みに使う。 強度とねばりがあるが、錆びやすいため塗装やめっきで防食する。錆が発生すると局部電池ができて腐食が進む。炭素量が多いと硬くなるが、溶接性やねばりが下がる。
- 防食
- 防食は、金属の腐食を防ぐこと。塗装などで環境から遮断する方法と、亜鉛めっきのように先に溶ける金属で守る犠牲防食などがある。 溶融亜鉛めっきは犠牲防食のため、被膜のない切り口やボルト孔でも錆びにくい。 使う環境(海岸地域など)に応じて防食の方法を選ぶ。
- 風圧力
- 風圧力は、風が構造物に当たって加わる力。建築基準法施行令では、速度圧に風力係数を掛けて求める。 速度圧は風速の2乗に比例するため、風速が1.5倍になると風圧力は約2.25倍になる。広告塔や看板は受風面積が大きいため、風圧力が構造設計の主要な荷重になる。
- 養生
- 養生は、ここではコンクリートの養生のことで、打ち込んだコンクリートが十分な強度を出すまで、適切な湿度と温度を保ち、振動や衝撃などの外からの力から守ること。 水分を保つ湿潤養生(散水や湿布、シートでの被覆など)、養生中に振動・衝撃を与えないこと、暑中は温度が上がりすぎないように、寒中は凍結しないように温度を管理することが基本になる。なお、建築工事では仕上げ面などを汚れや傷から守ることも養生と呼ぶ。
- 高力ボルト
- 高力ボルトは、強度の高い鋼でつくったボルトで、大きな力で締め付けて使う。摩擦接合に使う。 締付けは、一次締め、マーキング、本締めの順に行い、トルシア形高力ボルトはピンテールの破断で本締めの完了を確認できる。溶融亜鉛めっき高力ボルトは、めっきによる摩擦やトルクの特性の変化を考えて締付けを管理する。
- 高力ボルト接合
- 高力ボルト接合は、高力ボルトで部材を強く締め付けて接合する方法で、主に接合面の摩擦力で力を伝える(摩擦接合)。 摩擦面の処理、ボルトの締付け管理、締め付ける板の総厚(ボルト径の5倍以下が原則)など、部材の条件と施工品質を含めて設計・管理する。
- ねじり
- ねじりは、部材を軸のまわりに回転させるように働く力(ねじりモーメント)による変形。 角形鋼管や円形鋼管などの閉断面の部材はねじりに強く、H形鋼などの開断面の部材はねじりに弱い。片側だけで支える袖看板などでは、偏心によるねじりを検討する。 ねじりを受ける部材では、接合部の偏心にも注意する。
- ひび割れ
- ひび割れは、コンクリートに生じる亀裂。乾燥収縮、セメントの水和熱による温度変化、打込み後の沈下、鉄筋の腐食による膨張などが原因になる。 セメント量や単位水量が多いと水和熱や乾燥収縮が大きくなり、ひび割れが起きやすい。ひび割れから水や二酸化炭素が入ると、中性化や鉄筋の腐食を早める。
- アクリル
- アクリルは、ポリメタクリル酸メチルを主成分とする透明な熱可塑性樹脂。透明性と耐候性に優れ、内照式看板の表示面やチャンネル文字に広く使われる。 熱による伸び縮みが金属より大きいため、取付けでは伸縮のための余裕を見込む。表面と裏面の温度差による反りにも注意する。
- ボルト接合
- ボルト接合は、鋼材どうしをボルトで締め付けてつなぐ接合方法。ボルトの軸で力を受ける普通ボルト接合(支圧接合)と、高力ボルトで締め付けた接合面の摩擦で力を伝える高力ボルト摩擦接合がある。 高力ボルト接合では、締め付ける板の総厚はボルト径の5倍以下を原則とする。
- ヤング係数
- ヤング係数は、弾性範囲で応力をひずみで割った値で、材料の変形しにくさ(剛性)を表す。 鋼材は約2.05×10⁵N/mm²で、コンクリートは鋼材のおよそ1/10程度。鋼材のヤング係数は強度が違ってもほぼ同じで、強度と剛性は別の指標である。 ヤング係数が大きい材料ほど、同じ荷重でのたわみが小さい。
- 仮設
- 仮設は、工事を行うために一時的に設け、工事の完了後に撤去する設備や施設。 足場や遣り方など特定の工事に直接関係する直接仮設と、仮囲い・現場事務所・仮設電気など工事全体に共通する共通仮設に分けられる。 足場などの仮設物も、労働安全衛生規則などの基準に従って安全に設ける必要がある。
- 力のモーメント
- 力のモーメントは、物体をある点のまわりに回転させようとする力の働きで、力の大きさと、その点から力の作用線までの距離の積で表す(単位はkN・mなど)。 広告塔の基礎や接合部の計算では、風圧力などによる転倒のモーメントを求め、つり合いを確かめる。
- 品質管理
- 品質管理は、工事や製品が求められる品質を満たすよう、材料、工程、検査を計画的に管理すること。 たとえばコンクリートは、同じ打設区画に異なる工場の製品を調整なしに続けて使うなど、品質がばらつく使い方を避ける。 施工の各段階で検査を行い、記録を残して品質を確かめる。
- 打継ぎ
- 打継ぎは、先に打ち込んで固まり始めたコンクリートに、新しいコンクリートを続けて打ち込むこと。その境目を打継ぎ面という。 打継ぎ面はレイタンス(表面のもろい層)などを取り除き、適度に湿らせてから打ち込む。乾いたままでは新旧のコンクリートがよく付着しない。
- 木材
- 木材は、軽くて加工しやすい建築材料。繊維方向には強いが、繊維に直角な方向には弱く、含水率によって強度や寸法が変わる。 腐朽や虫害、火に弱いため、防腐・防虫処理や乾燥を行って使う。短期の許容応力度は長期の約1.8倍(2/3と1.1/3の比)になる。
- 木材の耐候性
- 木材の耐候性は、雨・紫外線・温度変化などの屋外環境に木材が耐える性質。 防腐剤の注入、十分な乾燥、雨水がたまらないよう笠木を付けるなどの納まりの工夫で高める。 屋外で使う木材の看板は、雨水がたまりにくい形状にし、定期的に塗装し直すなどの維持管理で長持ちさせる。樹種によっても耐久性が異なる。
- 材料
- 材料は、広告物をつくるための素材で、鋼材・ステンレス鋼・アルミニウム・木材・樹脂・コンクリートなどがある。 強度、加工性、溶接性、耐候性、耐食性、重さ、費用を比べて選ぶ。炭素量が多い鋳鉄は溶接性が悪く、溶接構造には一般に低炭素の鋼材を使う。 屋外では耐候性が特に重要になる。
- 水平震度
- 水平震度は、地震のときに構造物に働く水平方向の力を、重さに対する割合で表した係数。地震力は重さ×水平震度で求める。 建物の屋上や壁面に取り付ける広告物は、建物の揺れが増幅されるため、地上に独立して建てる広告物より大きな水平震度で地震力を算定する。
- 片持ち梁
- 片持ち梁は、一端だけを固定し、他端が自由になっている梁。袖看板(突き出し広告)の腕木などがこの形になる。 同じ荷重とスパンでは他の支持形式よりたわみと固定端の曲げモーメントが大きい。先端に集中荷重Pを受ける場合、固定端の曲げモーメントはPl、先端のたわみはPl³/(3EI)になる。
- 許容応力度
- 許容応力度は、構造計算で部材に生じてよい応力の上限。材料の基準強度を安全率で割って求める。 長く継続する荷重に対する長期許容応力度と、地震や風など一時的な荷重に対する短期許容応力度がある。異なる鋼材を溶接した接合部は、許容応力度の小さい方の値を使う。
- 防錆
- 防錆は、鋼材などの金属が錆びるのを防ぐこと。錆止め塗装、溶融亜鉛めっき、ステンレス鋼の使用などの方法がある。 コンクリートに埋め込む鉄骨の部分は、コンクリートとの付着やアルカリ性による防錆効果を考え、一般の露出部分とは扱いを分ける。 錆止め塗装の前には、錆や汚れを落とす素地調整を行う。
一致する用語がありません
キーワードを短くするか、別の分野を選んでみてください。